- エコキメラ(無光触媒)と光触媒の比較
- エコキメラ(無光触媒)と光触媒、目的別のおすすめ
抗菌や抗ウイルス、消臭などの目的で利用されるエコキメラ(無光触媒)や光触媒。
あまり聞きなれないエコキメラや光触媒について、「効き目やコストはどう違うのか?」「どちらを選ぶのが正解?」と疑問に思う方も多いです。
この記事では、エコキメラと光触媒の違いを比較した上で、どちらがおすすめなのかについてもお伝えします。
「エコキメラと光触媒の違いが分からない」、「抗菌や抗ウイルスなどの対策をしたいけど、何を選んだらいいのか分からない」という方はぜひ読んでみて下さいね。

エコキメラ(無光触媒)と光触媒の比較
エコキメラ(無光触媒)と光触媒の違いについて、以下の内容を比較します。
- 成分の比較
- 価格の比較
- 効果の比較
- 施工場所の比較
まず、エコキメラ(無光触媒)と光触媒の違いを表にまとめると、以下の通りです。
比較項目 | エコキメラ | 光触媒 |
---|---|---|
主成分 | リン酸チタニア | 二酸化チタン |
効果を発揮するために必要なもの | 水・酸素 | 光 |
粒子の大きさ | 10ナノ前後 | 30~50ナノ |
有機バインダー | 不要 | 必要 |
密着性・膜の硬度 | 強固(硬度8H) | 軟弱(硬度4H) |
時間が経過したときの変化 | 高い耐久性 | バインダーと素材が劣化 |
費用 | オフィスや店舗に塗装の場合 25㎡ / 40,000円(1㎡/1,600円) | オフィスや店舗に塗装の場合 (2社を参考) 1㎡/1,650円~2,200円 外壁に塗装の場合 平均1㎡/3,500~5,500円 |
効果 | 抗菌・抗ウイルス 消臭・ 防汚・防カビなど | 抗菌・抗ウイルス 消臭・防汚・防カビなど |
見た目 | 無色透明 | やや白色 |
ガラスの透過度 | 91% | 86% |
使用場所 | 内装(壁や床など) 外壁 窓ガラス 布製品 水回り(お風呂・キッチン・トイレなど) 押し入れやクローゼット | 内装(壁や床など) 外壁 窓ガラス 布製品 水回り(お風呂・キッチン・トイレなど) エアコンや空気清浄機のフィルター |
これを踏まえて、1つずつみていきましょう。
①:成分の比較
では、エコキメラと光触媒の成分について比較します。
エコキメラ(無光触媒)と光触媒の成分に関する情報を以下の表にまとめました。
比較項目 | エコキメラ | 光触媒 |
---|---|---|
主成分 | リン酸チタニア | 二酸化チタン |
効果を発揮するために必要なもの | 水・酸素 | 光 |
粒子の大きさ | 10ナノ前後 | 30~50ナノ |
有機バインダー | 不要 | 必要 |
密着性・膜の硬度 | 強固(硬度8H) | 軟弱(硬度4H) |
時間が経過したときの変化 | 高い耐久性 | バインダーと素材が |
エコキメラの成分とその特徴
エコキメラの主成分は「リン酸チタニア」です。
エコキメラが空気をきれいにしたり臭いを消すこともできるのは、空気中を浮遊している菌やウイルス、臭いの原因となる物質などがエコキメラのコーティングに触れると、吸着・分解して放散されるため。
その効果を発揮するために必要なのは水と酸素なので、光があたらない環境でも24時間効果が持続。
リン酸チタニアの粒子の大きさは、10ナノ前後と非常に細かく、施工面に密着して強い保護膜を形成することができます。
また、バインダー材(接着剤)を使用せずに施工できるのもエコキメラならではのメリットです。細かな粒子が結合して強力に密着するので、摩擦にも強いという特徴があり、耐久性には優れています。
光触媒の成分とその特徴
一方、光触媒の主成分は「二酸化チタン」です。
二酸化チタンに太陽光や蛍光灯などの光が当たると、強い酸化力が働き、そこに触れた菌やウイルス、臭いの原因物質などを分解するという仕組みになっています。
仕組みとしてはエコキメラと似ていますが、大きな違いは光触媒が光を必要とするという点。光の強弱によっても、その効果が変わってきます。
二酸化チタンの粒子の大きさは、エコキメラより少し大きい30~50ナノ程で、硬度は4H。コーティングの硬さとしては、硬度8Hのエコキメラの方がより硬いといえます。(※硬度はHという単位であらわされ、数値が高いほど硬い)
また、バインダー材を必要とするので、時間の経過と共に素材とバインダー材が劣化するという弱点が。
②:費用の比較
市販されている光触媒の商品は種類が多く、比較的安価で容量の少ないスプレータイプのものもあれば、外壁塗装用といった大容量タイプのものまで様々。
そこで、今回はオフィスや店舗など広範囲にコーティングする場合を想定して比較します。(※業者によって価格が異なるので一例として参考にして下さい)
エコキメラの場合
- LWC(Living with a coating):25 ㎡/40,000円
1㎡あたりに直すと1,600円です。
光触媒の場合
1㎡あたり1,650円~2,200円ほどになります。
業者にもよりますが、オフィスや店舗といった室内にコーティングする場合、エコキメラと光触媒で単価に大きな違いはありません。
③:効果の比較
エコキメラと光触媒はどちらも抗菌や抗ウイルス、消臭など共通する点がありますが、その効果には違いがあります。
消臭率の違い
エコキメラと光触媒の消臭効果を比較したものがこちらです。
比較項目 | エコキメラ | 光触媒 |
---|---|---|
アンモニア | 60.9% | 50% |
酢酸 | 97.8% | 14.29% |
臭いの元となるアンモニアや酢酸の消臭率をみると、どちらもエコキメラの方が効果が高いことが分かります。
つまり、エコキメラと光触媒にはどちらにも共通する効果がありますが、エコキメラの方がより消臭効果に優れているようです。
効果の保証について
エコキメラの抗菌・抗ウイルス効果については、複数の会社の製品においてSIAA(抗菌製品技術協議会)などの第三者機関で認められていることが確認できました。
一方で、光触媒に関する商品は数が多く、抗菌や抗ウイルスの効果がきちんと示されているものもあれば、中には効果が保証されていないものもあります。手軽に購入しやすい反面、注意が必要です。
コロナウイルスの予防効果を標榜する光触媒に関する商品について、消費者庁が以下のように呼びかけています。
消費者庁は、新型コロナウイルスの予防効果を標ぼうする商品等の不当表示に対す る監視指導を実施しています。現時点で、健康食品、アロマオイル、光触媒スプレ ー等の商品については、当該ウイルスに対する効果を裏付ける根拠は認められてい ませんので御注意ください
消費者庁 新型コロナウイルスに対する予防効果を標ぼうする商品 等の表示に関する改善要請等及び一般消費者等への注意 喚起について(第2報)
エコキメラと光触媒はどちらにも抗菌や抗ウイルスといった効果があります。
しかし、商品によっては効果が怪しいものもあるので、SIAAなどの第三者機関で効果や安全性が保証されているか、商品のサイトなどをチェックしておく必要がありますね。
④:施工できる場所の比較
エコキメラと光触媒はどちらも以下の場所に使用できます。
- 室内(ガラス、壁、床など)
- 室外(外壁など)
- 布製品(ソファー、カーテンなど)
- 水回り(お風呂、キッチン、トイレなど)
どちらも幅広く使用できるのですが、それぞれの特徴の違いからエコキメラは光触媒に不向きな場所でも使用することができます。
比較項目 | エコキメラ | 光触媒 |
---|---|---|
光は必要? | 不要 | 必要 |
見た目 | 無色透明 変色しない | やや白色 |
ガラスの透過度 | 91% | 86% |
光触媒は太陽や蛍光灯などの光を利用して効果を発揮するものですが、エコキメラは日光がなくてもしっかりと効果を発揮します。
そのため、エコキメラは押し入れやクローゼットの中といった日当たりの悪い暗所や、夜に電気をつけないオフィスなどの室内でも、24時間効果を発揮し続けることが可能。
日光が当たりにくい建物の北側など、雨だれなどの汚れがつきやすくカビが生えやすい場所にも、防カビや防汚などの効果があります。
また、エコキメラのガラスの透過性は91%と、光触媒よりも若干高いです。ガラスなどに施工しても明るさはキープできますね。
光触媒は見た目の問題で使用場所を選ぶ場合がありますが、エコキメラは無色透明で変色もしないので、施工する場所の色にによって使えないということもありません。
どちらも室内・室外問わず幅広く利用できますが、エコキメラの方が暗所やガラスに強く、見た目の変化もないという特徴があるので、光触媒が使用しにくい場所にも効果的であるといえます。
エコキメラ(無光触媒)と光触媒、目的別のおすすめ
エコキメラと光触媒どちらを選んだらよいのか、目的別にまとめましたので、ご覧ください。
- 価格で選ぶなら
- 持久力で選ぶなら
- 効果で選ぶなら
- 施工場所で選ぶなら
それでは1つずつ解説しますので、選ぶ際の参考にしてくださいね。
価格で選ぶなら
室内用のコーティングをする場合、エコキメラと光触媒ではあまり単価は変わりません。
- エコキメラは 1㎡/1,600円
- 光触媒(室内用)は 1㎡/1,650円~2,200円ほど(参考:ダスキンとおそうじ本舗)
光触媒を「外壁の汚れ防止として使いたい」という場合は、外壁塗装の費用は平均1㎡/3,500~5,500円と少し値段が上がります。
ただし、外壁に関しては耐用年数を考えると、光触媒の方がコスパがいい場合があるので見積もりと合わせて耐用年数は要チェックです。
「壁やドアなどを含めて部屋全体をコーティングしたい」、「人が特によく触れる部分(ドアノブ部分など)だけピンポイントで使いたい」など、用途が異なれば必要とする量も変わってきます。
施工事例を見ると施工個所や広さなどが具体的に書いてあるので、イメージしやすいかと思います。
単価の違いは小さくても、施工面積が大きくなればコストの差も大きくなります。価格は業者によってバラつきが出やすいので、施工面積も考慮して値段を比較するようにしましょう。
持久力で選ぶなら
エコキメラと光触媒の耐用年数は、製品や業者によって異なります。
比較項目 | エコキメラ | 光触媒 |
---|---|---|
耐用年数 | 4~5年 | ・塗料の場合16~22年 ・布製品用スプレーなどは商品によって異なる |
外壁塗装に使用したい場合は、光触媒の方が耐用年数は長いです。
こちらもメーカーによって耐用年数は異なるのですが、エコキメラの耐用年数は4~5年ほど。
一方、光触媒は、外壁塗装のための塗料の場合16~22年ほど。布製品の場合は、ものによります。
光触媒はマスクなどの布製品にも手軽にスプレーできるようなタイプのものがたくさんありますが、持続効果はものによってかなりバラつきがあるためです。(持続期間は半年のもの、5年のものと様々。洗濯によって効果が落ちるのでその場合はスプレーし直してくださいとの注意書きがある商品も)
その点でエコキメラは、繊維に塗布して50回洗濯したり、擦り試験10,000往復のテストでも効果が変らないとされているので、耐久性の高さは保証されているので安心です。
まとめると、外壁塗装に関しては光触媒の方が持久力が高いですが、その他に関しては商品によって異なります。
布製品に使用したい場合は、安価で売っているスプレータイプの光触媒よりもエコキメラの方が耐久性が高い場合もあるかもしれませんね。
効果で選ぶなら
エコキメラと光触媒はどちらも抗菌や抗ウイルス、防汚など共通する効果があります。
ただし、エコキメラの方が消臭効果が高いというデータもありますので、消臭目的の使用の場合は、エコキメラを選ぶのがおすすめです。
また、光の当たらない場所など、使用箇所によってはエコキメラでしか効果を発揮できない場合もあります。
どちらを選ぶにしても、第三者機関での効果の保証があれば安心ですが、特に光触媒は個人で手軽に買えるような商品が多い分、効果の保証がないものもあります。
店舗やオフィスなどの広範囲にコーティングしたい場合は特に、抗菌や抗ウイルスといった効果が本当にあるのか、SIAAの保証といった信頼のできるデータがあるか商品のサイトなどで確認したうえで選びましょう。
施工場所で選ぶなら
光触媒はその特性から苦手とする場所がありますが、エコキメラは施工場所を選ばずにどこにでもコーティングすることができます。
エコキメラの方が向いている場所はたくさんあります。
- 日当たりの悪い部屋
- クローゼットや押し入れなどの暗所
- 夜に消灯する施設やオフィス
- 建物の北側
- 窓ガラス
- 素材を生かしたい壁
- 洗濯したい布製品
選ぶポイントは、日当たりや、見た目への影響です。
光が当たらない場所や、透明感を保ちたい窓ガラス、素材の風合いを残したい壁などの内装には、エコキメラがおすすめ。
エコキメラは摩擦や洗濯にも強く、その効果が保証されているのでソファーやカーテンといった布製品にも向いています。
エコキメラは無色透明で変色もせず、光無しでもOKなので、光触媒が使用できない場所でも幅広く使用できるというわけです。
まとめ│抗菌・抗ウイルスならエコキメラがおすすめ
エコキメラと光触媒はどちらも抗菌・抗ウイルス対策として利用できるものですが、外壁塗装の耐用年数を除いては、概ねエコキメラの方が機能的に優れています。
なんといっても、エコキメラは光の届かない暗所でも24時間働き続けるという点が魅力的で、耐久性が高いことを考えるとコスト的にも割安といえるでしょう。
抗菌や抗ウイルスといった様々な効果や安全性についても多くの商品において保証されているので安心。
エコキメラで、ぜひ安心空間を作っていきましょう。

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